ぽつぽつ再開します。

 少し時間がとれるようになったので、ぽつぽつ再開します。

 ずっと前の話で恐縮ですが、2015年3月7日の日経新聞夕刊「文学周遊」欄で、「海がきこえる」が取り上げられています。拓の実家と同じように浦戸湾を見下ろす家、市の中心にある帯屋町商店街、夕暮れの鏡川など、高知市の各所をめぐります。時間が過ぎ、街が変わっても、小説の情緒を味わえる場所はたくさん残っています。
 また、2016年5月号をもって雑誌Cobaltが休刊し、Webマガジンに移行しました。隔世の感があります。

 今後は、テーマを替えて、妊娠・出産・育児の本について書いていきます。
 三人の子どもを育てている中、読んでいて、紹介したい作品がたくさんあります。少しでも興味を引く作品を紹介できれば、うれしいです。

 もちろん、氷室冴子先生についても、情報があれば更新したいです。

ユリイカ平成26年12月号

ユリイカ「百合文化の現在」に、嵯峨景子「吉屋信子から氷室冴子へ」という論考が収録されている。氷室先生については、「さようならアルルカン」「白い少女たち」「クララ白書」を軸に、誠実な議論という印象だった。特に百合を強調している感じではない。

 

 

物語るあなた 絵を書く私 萩尾望都対談集1990年代編

 「氷室冴子読本」に収録されている氷室冴子先生と萩尾望都先生の対談は、「物語るあなた 絵を書く私 萩尾望都対談集1990年代編」にも再録されている。再録は、イラストやマンガのページがふんだんに引用されていてわかりやすい。
 あとがきで、萩尾先生は「氷室冴子さんとは、よく宝塚の観劇をご一緒させていただきました。彼女の作品の『銀の海 金の大地』は未完成のままです。この全構想(おおよその)を以前伺っていたので、もう続きは読めないのかと、それも惜しまれます。」とお書きになっている。ああ!

お休み

 二年近く前、育児休業中に何かまとまったことをやりたいと考え、思いついたのは氷室冴子先生の作品を再読し、それについて書いてみることでした。その際、書き溜めた文章を、少しずつアップしていたのですが、ストックが終わりました。

 仕事や家庭のことが忙しく、今後はあまり更新はできないと思いますが、氷室冴子先生の作品は折に触れて読み返し、楽しんで行きたいです。また、氷室ファンの皆様とシェアしたい情報がありましたら、更新します。

 拙い文章を読んでくださる方にはいつも感謝しております。またどこかでおめにかかれれば幸いです。

多恵子を好きな男子

「マイ・ディア」文中に、オルコット「八人のいとこ」に関連して、「私だって、女の子ひとりに、相手役の男の子をだすとしたら、(描き分けられるのは)三人が限度ですからね」という発言がある。
 しかし、氷室作品にはこの発言を裏切ってもてまくる女の子がいる。そう、原田多恵子だ。
 雨城なぎさ。上邑三四郎。森北里。井上さん。加納建二。松宮豪紀。久保田伸利。はっきりと多恵子に恋愛感情があると書かれた男子が、ちょうど七人だ。さらにシスコンの弟亮、失恋仲間(?)の佐伯晃一などもいる。
 その一方で、氷室先生は「ガールフレンズ」で、多恵子のことを「うざったい」「やな女の子」などと発言している。嫌いなタイプの女の子を描き、大勢の男の子と関わらせることで、新しいものに挑戦していらしたのかもしれない。

 

野枝の大学生彼氏説

 北里は野枝のことを、「・・・大学生あたりとつき合っているのではないか・・・/あのふてぶてしいほどの、槇修子にもないヘンな自信やおちつきは、すでにもう、バージンではないのではないか・・・」と思っている。
 北里の想像の真偽は、「北里マドンナ」の最後まで読んでも明かされないので、いっそう気になる。麻生野枝編で彼氏が登場する予定だったのかもしれない。
 一方で、北里の妄想説も私は捨てきれない。なぜなら、年上の異性と交際して自信をもつ構図は、柏原夫人について「ここでやっとけば、確実に、その点だけは、なぎさに勝てるだろうと思ったんだ」と語る北里の裏返しだからだ。
 もう一人、(性関係はないかもしれないが)年上の異性とつきあってグループから自立するのが三四郎だ。
 槇に「森くんたちって、ほんとに原田さんの親衛隊みたいね」と喝破された五人グループ。男子は三人とも多恵子が好きで、野枝も多恵子に執着している。
 この関係から距離をおき、多恵子から卒業するためには、年上の相手が必要だと、北里は無意識に感じているのかもしれない。

 

 

 

カルトクイズ

問い・(1)「雑居時代」(2)「少女小説家は死なない!」(3)「銀の海 金の大地」に共通して出てくるスポーツは何か?
答え・弓道
 (1)宮古のおかみの兄、(2)都エリ、(3)読者が考えた学園バージョンにおける
真澄がそれぞれ弓道をやっています。