読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ぽつぽつ再開します。

少し時間がとれるようになったので、ぽつぽつ再開します。 ずっと前の話で恐縮ですが、2015年3月7日の日経新聞夕刊「文学周遊」欄で、「海がきこえる」が取り上げられています。拓の実家と同じように浦戸湾を見下ろす家、市の中心にある帯屋町商店街、…

ユリイカ平成26年12月号

ユリイカ「百合文化の現在」に、嵯峨景子「吉屋信子から氷室冴子へ」という論考が収録されている。氷室先生については、「さようならアルルカン」「白い少女たち」「クララ白書」を軸に、誠実な議論という印象だった。特に百合を強調している感じではない。

物語るあなた 絵を書く私 萩尾望都対談集1990年代編

「氷室冴子読本」に収録されている氷室冴子先生と萩尾望都先生の対談は、「物語るあなた 絵を書く私 萩尾望都対談集1990年代編」にも再録されている。再録は、イラストやマンガのページがふんだんに引用されていてわかりやすい。 あとがきで、萩尾先生は「氷…

お休み

二年近く前、育児休業中に何かまとまったことをやりたいと考え、思いついたのは氷室冴子先生の作品を再読し、それについて書いてみることでした。その際、書き溜めた文章を、少しずつアップしていたのですが、ストックが終わりました。 仕事や家庭のことが忙…

多恵子を好きな男子

「マイ・ディア」文中に、オルコット「八人のいとこ」に関連して、「私だって、女の子ひとりに、相手役の男の子をだすとしたら、(描き分けられるのは)三人が限度ですからね」という発言がある。 しかし、氷室作品にはこの発言を裏切ってもてまくる女の子が…

野枝の大学生彼氏説

北里は野枝のことを、「・・・大学生あたりとつき合っているのではないか・・・/あのふてぶてしいほどの、槇修子にもないヘンな自信やおちつきは、すでにもう、バージンではないのではないか・・・」と思っている。 北里の想像の真偽は、「北里マドンナ」の…

カルトクイズ

問い・(1)「雑居時代」(2)「少女小説家は死なない!」(3)「銀の海 金の大地」に共通して出てくるスポーツは何か?答え・弓道 (1)宮古のおかみの兄、(2)都エリ、(3)読者が考えた学園バージョンにおける真澄がそれぞれ弓道をやっています。

瑠璃姫と真秀

瑠璃姫は子供の頃、鬼ごっこや石蹴りをしていたが、年頃になるとさすがにできず、たまにお忍びで外出する程度だ。しかも、琴も裁縫も書道も嫌いで、読書や絵に熱中する様子もない。毎日は、非常にエネルギーを持て余したものだろう。「なんて素敵にジャパネ…

源氏物語とジャパネスク 3

「身軽な狩衣姿」「長身ですっきりした身のこなし、整った目鼻だち、はっきりいってすごい美男子(ハンサム)だ」。雑色に身をやつした鷹男の、瑠璃姫から見た第一印象だ。「この何日かってもの、考えることといったら、守弥とかいう者のことばっかりだった…

「本の雑誌が作る夏の100冊!」に氷室冴子「海がきこえる」が選出

現在発売中の「本の雑誌」2014年9月号の特集「本の雑誌が作る夏の100冊!」で、大森望氏と浜本茂編集長の推薦により、「海がきこえる」が選ばれています。 大森望氏は、拓と里伽子たちの高校のモデルとなった土佐高校の出身です。(そして京都大学へ進学…

アニメージュ 2008年8月号 追悼・氷室冴子さん

藤花忌で教えていただいた。 望月智充(アニメ版監督)・近藤勝也(イラスト・アニメ版作画監督)・高橋望(アニメ版プロデューサー)・三ツ木早苗(徳間書店の担当編集)による対談がメインだ。連載が始まる前、近藤氏によるイラストに触発されてイメージが…

山内ジャパネスク

山内直実先生の、漫画版なんて素敵にジャパネスクを再読している。 昔は、「○○が美形」などということばかり考えて読んでいたが、すごく勉強になる。たとえば、御簾や几帳がどんなものか、一目でわかる。漫画だと、小説ではスルーできることも書き込まなけれ…

古本ぺんぎん堂

http://penguindou.com/?mode=f7 氷室先生の著作年表を掲載されている、オンライン古本屋さんです。 アンソロジー・解説。エッセイ集などに収録された作品もとても充実したラインナップです。 店主の方による解説がついている上、そのまま購入できる書籍も多…

「源氏物語」とジャパネスク 2

桐壷女御は、かなりはっきりと桐壷の更衣を連想させるよう書かれている。名前と、後宮での頼りない立場。大納言の女(むすめ)として入内すると、立場が弱い。 作中にはもう一人、大納言の女が登場する。そう、瑠璃姫である。何不自由ない姫君のイメージがあ…

「源氏物語」とジャパネスク 1

いうまでもないが、平安文学パロディの「なんて素敵にジャパネスク」は、「源氏物語」を思わせる箇所がたくさんある。 瑠璃姫の名は、夕顔の娘玉鬘と同じ名を持つ。しかし玉鬘は、田舎育ちながらも理想的な貴族女性だが、瑠璃姫は平安貴族女性の常識をすべて…

「なんて素敵にジャパネスク2」セリフ対決

「ガールフレンズ」収録「冴子ベスト3」ので氷室先生が、お気に入りのキザセリフとして2巻から二つあげている。 1位は唯恵の「世、みな牢固ならず。水沫泡焔のごとし。あの日々は儚く、見果てぬ夢のように輝いていましたね」 3位は高彬の「ぼくで、我慢…

「なんて素敵にジャパネスク」愛ゆえの長さ

3巻から8巻は長い。3巻は新婚生活、4巻はアンコール編の後日談、守弥と瑠璃姫の決着が書かれている。そして、はっきりと話の区切りがあるわけではないが、5巻から8巻までがほぼ師の宮編となる。 異論はあろうが、師の宮は少し長すぎるのではないかと思…

「書かずにはいられない」北村薫

北村薫先生の「書かずにはいられない」に、氷室先生の「冴子の東京物語」の書評が載っていました。 北村薫先生がプロフィールを全く明かさない覆面作家として女子大生を語り手とする小説を発表していた頃、「あなたは、氷室冴子の別ペンネームですね」という…

芸術新潮 2014年7月号 「もっと素敵にジャポニスム」

芸術新潮 2014年7月号の特集が、 「もっと素敵にジャポニスム」だった。 どこかで聞いたような・・・ 氷室冴子先生は、「タイトルで一番こだわったのは なんて素敵『に』のところ。なんて素敵『な』では全くダメ」 と語ってらした記憶がある。 (すぐに出て…

氷室冴子先生を偲ぶ会2014(藤花忌:ふじはなき)参加記5 完結

一読者の勝手極まりない思いだが、私は、氷室先生はあまり新作を発表なさらなくなった96年頃から、亡くなる3年ほど前に闘病に入られるまで、どのようにお過ごしだったのかとずっと思っていました。 はじめて偲ぶ会に足を運んで、我慢できず、田中二郎先生…

氷室冴子先生を偲ぶ会2014(藤花忌:ふじはなき)参加記4

6月7日に行われた氷室冴子先生を偲ぶ会では、氷室先生関連のレアなアイテムをいろいろ見せていただきました。 山内直実先生は、「ガールフレンズ」のカラーページに掲載されている、高彬と瑠璃のイラストの原画を見せてくださいました。綺麗!また、氷室先生…

氷室冴子先生を偲ぶ会2014(藤花忌:ふじはなき)参加記3

偲ぶ会では、氷室先生ゆかりのアイテムを持参され、見せてくださったかたもいました。 偲ぶ会の田中二郎先生からは、氷室先生が愛用されていた富士通OASYS対応の 親指シフトキーボード。初めて見ました。新井素子先生の紹介で氷室先生にパソコンを教えること…

氷室冴子先生を偲ぶ会2014(藤花忌:ふじはなき)参加記2

氷室先生の七回忌にあわせて6/1~6/30まで、龍善寺近くのあゆみBOOKS早稲田店と芳林堂書店高田馬場店で、「氷室冴子を読もう!」フェアが開催されています。http://natalie.mu/comic/news/117792 山内直実先生の原画や、親交のあった先生方のメッセージ入り…

氷室冴子先生を偲ぶ会2014(藤花忌:ふじはなき) 参加記1

6月7日、早稲田の龍善寺で行われた、氷室冴子先生を偲ぶ会に参加してきました。七回忌の今回から、藤花忌と呼ぶこととなったそうです。2時に集合して最初に法要が行われ、お寺の一室で氷室先生のことを語りあう時間を設けていただき、5時過ぎにお墓に手…

6月7日に氷室冴子先生を偲ぶ会が開催されます

田中二郎先生が管理されているHPに、 偲ぶ会の通知を出した方々からの返信がアップされていました。 http://nerimadors.or.jp/~saeko/#new

「なんて素敵にジャパネスク」愛ゆえの長さ

3巻から8巻は長い。3巻は新婚生活、4巻はアンコール編の後日談、守弥と瑠璃姫の決着が書かれている。そして、はっきりと話の区切りがあるわけではないが、5巻から8巻までがほぼ師の宮編となる。 異論はあろうが、師の宮は少し長すぎるのではないかと思…

ナタリーって誰?

映画に無知な私の素朴な疑問なのですが、「冬のディーン 夏のナタリー」のナタリーとは、誰のことを指しているのでしょうか? ディーンは、「エデンの東」で弟を演じたジェームズ・ディーン。作中でワタルが、ディーンをタケルと重ね合わせる。 しかし、ナタ…

落窪物語 番外編

氷室冴子先生は、講談社「落窪物語」のあとがきで、少将の乳母を主人公にして番外編を書きたいと述べている。「冴子の母娘草」「いっぱしの女」「なんて素敵にジャパネスク」「ターン」・・・氷室先生は、結婚しろと子供に重圧をかける親のモチーフを繰り返…

氷室冴子先生と藤花忌

発売中のメロディ6月号555ページに、「なんて素敵にジャパネスク人妻編」を含む白泉社文庫の広告が掲載されている。白泉社のほかの出版物にも、同じ広告が載っていると思われる。 そこに、「藤花忌「氷室冴子さんを偲ぶ会」のお知らせ」のコーナーがあり、HP…

恋する女たち カバーデザイン

現在「恋する女たち」の書影として通常出てくるのは、斎藤由貴さんがあぐらをかいて腕組みをしている写真だと思う。これは、映画公開時のものだろうから、当然、その前のバージョンがあることになる。 1996年ごろ、古本屋で前のバージョンを見つけて、思…

氷室冴子先生を偲ぶ会2014

偲ぶ会を主催なさっている田中二郎先生が、2014年の告知をなさっている。6月7日14時 龍善寺とのこと。今年は、参加してみたい。 http://nerimadors.or.jp/~saeko/ 田中二郎先生は、大学の教員でいらして、氷室先生とはお友達で、パソコンの管理をされていた…

「エリノア」谷口ひとみ

復刊ドットコムで、谷口ひとみ「エリノア」の復刊を知り、注文した。氷室冴子先生が「クララ白書」(1980年版)のあとがきで、その衝撃を熱く語っていた作品だからだ。主人公が目もあてられない醜女だったこと、天使のように美しくなること、救いのない結末…

「海がきこえる」大学・高校のモデル

拓たちが通っていた高知の高校のモデルは、土佐高校。地域一の進学校だ。 高校時代の拓は特別に映画が好きとか、何かを創りたいとかいう様子がないのに、大学では非常にクリエイティブなコース(モデルは日大芸術学部)にいるのが不思議だった。 HP「海がき…

「銀の海 金の大地」における妊娠・出産(2) 

お産で命を落とした人に、御影・大闇見戸亮姉妹を産んだ加津戸亮がいる。現代で双子を産むときは、予定帝王切開が多いが、セルフ帝王切開・・・ううう・・・。 また、物語に直接登場しない人物だが、美知主、真若王、五百依姫、御井津姫の母に当たる息長の巫…

「銀の海 の大地」における妊娠・出産(1)

9巻「迷い込んだ小鳥」で、妊娠している氷葉州姫は、酒を一気飲みする。長老の振熊が制止しても、醸酒はとても気持ちが休まるといって聞かない。この時代、妊娠中の飲酒についてどれほど知識があったかわからない。だが、この飲酒シーンは明らかに、氷葉州姫…

「海がきこえる」里伽子父の相続

非嫡出子の相続に関する規定が変わるというニュースをみて、思ったこと。イタリア料理店のシーンで、お腹に子供がいる美香は、さらっと籍については相談中だといっている。だが、入籍するとしないでは相続が雲泥の差になる。 里伽子の父の資産を9000万円とす…

他の方の作品に登場する氷室先生とその作品 小ネタ集

○西村しのぶ先生「サード・ガール」の主人公夜梨子は、「多恵子ガール」を読んでいる。西村先生は「ガールフレンズ」の表紙も描いている。きれいなガールつながり。 ○入江敦彦先生「京都人だけが食べている」吉加寿お好みという店の紹介文のサブタイトルは「…

「シンデレラ迷宮」におけるE・ロチェスター

「シンデレラ迷宮」では、未亡人の奥方として登場する女性が、終盤で「ジェイン・エア」のジェインであると明かされる。ジェインの語るロチェスターは、愛されていると錯覚させるほど優しい人だったが、彼の心は狂人の妻バーサにあった。館に火を放ってロチ…

「アグネス白書」におけるエドワード・ロチェスター

「アグネス白書」旧版で、しのぶの理想の男性は「レット・バトラーもどきが、ブランデンブルク協奏曲をしょって、劇的に登場」とされている。だが、「菊花のマル秘創作ノートより」で、本当は「ジェイン・エア」のエドワード・ロチェスターが好きだが、顔が…

「銀の海 金の大地」ミス?小ネタ集(2)

人物関係図を書きながら読んでいたところ、11巻40ページ、穂波視点の地の文「佐保姫の従姉沙波路姫」という箇所で手が止まった。この人は、佐保姫とどういう血縁にあたるのだろう? 結論からいうと、(意沙穂と加津戸亮の秘密を知らない人にとっては)佐保姫…

「銀の海 金の大地」ミス?小ネタ集(1)

「銀の海 金の大地」は、最初にでた文庫以降、改版されていない。だから、修正したほうがよさそうな箇所も、そのまま残っている。 3巻217ページの小見出しタイトルで、万茅穂が「窺見・万「芽」穂」と誤植されてしまっている。初登場なのに気の毒な・・・。 …

本の雑誌 2008年10月号

本の雑誌2008年10月号の特集「少女小説の逆襲!」は、明らかに氷室冴子先生の訃報をうけて企画された、実質的な追悼特集である。 「コバルト風雲録」著者でもある久美沙織先生が、エッセイで思い出を語る。氷室先生は、消費を拒む、時代がどんなに移り変わっ…

氷室冴子拾遺集

あけましておめでとうございます。本年も、インターネットの共時性をまったく無視して書きたいことを書くと思います・・・。 最近、氷室先生の作品が新たに電子書籍化されて、喜ばしい限りです。そこで、電子書籍でもいいので、実現したら氷室ファン感涙の企…

「少女物語」

私は、この短編の存在を最近まで知らなかったので、書きます。 まーこさまによる「迷宮の扉」の著作リストにリンクされている、ネジ花さまによるリストに記録されています。 http://mahko.fc2web.com/him/list.html (まーこさま、HPいつも参考にさせていた…

氷室冴子先生と「NANA」

「あの人とここだけのおしゃべり」に収録された、よしながふみ先生と萩尾望都先生の対談に、氷室先生の話題がでてくる。 萩尾先生と年輩の男性が矢沢あい「NANA」について話している。ハチのような次から次へと恋愛する女の子は好きではないと男性がいう…

「なぎさボーイ」シリーズ 年表を作ってみると

氷室冴子先生の作品には、長大なもの、過去の出来事がすこしずつ明かされていく構成のもの、同じ出来事を複数の人物の視点で繰り返し語るものなどがある。こういった作品は、年表を作ってみると整理しやすい。 「なぎさボーイ」シリーズで作業してみると、い…

性暴力とその隠蔽

「白い少女たち」の倫子と千佳が、性暴力被害を徹底的に隠蔽し、自分たちだけで傷を抱え込む様子は痛ましくてならない。 そして、氷室先生の小説の他の登場人物たちも性暴力被害を隠蔽する。 物の怪憑きの瑠璃姫ですら、師の宮に接吻されたことは誰にもいえ…

「白い少女たち」 千佳の失踪理由の想像

帥の宮に負けずに(?)私も妊娠について想像してみる。 「白い少女たち」の千佳は、妊娠していたのではないだろうか?そう判断できる記述はないが、小説の中では、妊娠していないと断言されてはいないと、私は考えている。 作中の時間をみると、暴行事件が6…

「なんて素敵にジャパネスク」東宮の父親

※ネタバレ注意 強引な仮説だが、「なんて素敵にジャパネスク」は、東宮が鷹男の子どもである可能性も完全に否定せずに書かれていると私は思っている。 基礎体温や超音波検査やDNA鑑定がない時代、女性が複数の男性と関係して、どちらの子どもか断定するのは…

「なんて素敵にジャパネスク」帥の宮の妊娠妄想

※鷹男ファンは不快になるかもしれない記述があるので、ご留意ください。 ※ネタバレ注意 鷹男の帝の子どもについて考えてみたい。十三歳で元服し、添い臥しが今の桐壺女御で、一年後に右大臣家の公子姫が入内した。帥の宮編の物語が進行しているときには二十…