「キタガミ氏のキツーイ書評」
「マイ・ディア」に、「私はかつて、キタガミ氏(引用者注:評論家北上次郎氏)に、かなりキツーイ書評をされちゃったことがあって、恨みかさなるキタガミ氏ではあるのですが(以下略)」という記述があります。
Asahi Journal1985年7月26日号「言葉以前の記号の洪水」が、該当する記事のようです。(有里さまによるリストのおかげで見つけることができました。
http://alisato.web2.jp/memo2/StadyGirlsNovel2.htm
ありがとうございます)
記事は、北上先生の評論をメインに、コバルト編集長のインタビューと氷室先生へのインタビューで構成されています。評論の内容は、いわゆる「コバルト四天王」の作品(氷室先生は「クララ白書」I・II、「なんて素敵にジャパネスク」の3冊で、他の方は1冊ずつ)を読み、使われている口語的な言葉を引用したり、コメディー全盛であることを指摘したりという評論です。
私は北上次郎先生のことも好きなのですが、この文章については、「いっぱしの女」の「やっぱり評論もよみたい」で語られている少女漫画論を、そのまま少女小説論におきかえたような評論だという印象をうけました。
今回ブログを書くにあたり、28年前の記事をひっぱりだしてくるのはどうなのかと迷いました。現在はお考えが変わっている部分もあるでしょう。ただ、私自身にとって「マイ・ディア」の一文が何をさしているのかずっと謎だったので、過去にこのような記事があったということを書いておきたいと思いました。
北上次郎先生は、2007年のアンソロジー「十四歳の本棚 部活学園編」に「クララ白書」の第一章を収録なさっていることを申し添えます。
次回は、マスコミでの取り上げられ方について書きます。