「なんて素敵にジャパネスク」守弥のイラスト

ジャパネスク・アンコール! ―新装版― なんて素敵にジャパネスク シリーズ(3) (なんて素敵にジャパネスク シリーズ) (コバルト文庫)

 

 

 峯村良子先生が「守弥のジャパネスク・ダンディ」以降で描く守弥は、精悍な美形だが、初登場の「ジャパネスク・スクランブル」では、へちまそっくりの顔だ。(後藤星先生イラストによる新装版のあとがきには、氷室先生が「守弥は美形です」とはっきり伝えたエピソードが書かれている。へちま守弥とひょっとしたら関係あるかも)

 しかし、峯村先生の擁護をすると、守弥一人称の「ジャパネスク・スクランブル」等からは、彼が美形だとはまったく読み取れないのだ。たぶん、守弥自身は容貌について自覚がないどころか、ほとんど考えたこともないのだろう。頭脳派といわれるわりにはいつも詰めが甘い守弥だが、このあたりも間が抜けている。

 「なんて素敵にジャパネスク3」以降、視点が瑠璃姫にうつると、背が高く姿が良いとか、小萩も美形だと認めているとかの記述が出てくる。しかし、守弥が帥の宮のように自分の美貌を知っていて、周りの女性を操縦するのにうまく利用していたら、何のかわいげもない男になるだろう。だから、一人称で登場した守弥の容貌が読む側に伝わらないのは仕方ないと思う。