「少女物語」
私は、この短編の存在を最近まで知らなかったので、書きます。
まーこさまによる「迷宮の扉」の著作リストにリンクされている、ネジ花さまによるリストに記録されています。
http://mahko.fc2web.com/him/list.html
(まーこさま、HPいつも参考にさせていただいております)
「少女物語」朝日新聞社1998年。初出は1996年5月から1997年3月まで金曜日の「朝日新聞」夕刊に連載とのことです。
唐十郎、稲葉真弓、阿久悠、新井満、堀田あけみ、北村薫、高橋克彦、氷室冴子、髙樹のぶ子、小林信彦、小池真理子の豪華執筆陣による共著です。
氷室先生が執筆されているのは、短編小説「あひるの王様」で、「パパは二十五歳」「あひるの王様」「さよならのご挨拶」のさ3編から構成されています。タイトルページもあわせて16ページの掌編です。
お母さんはバリバリ仕事をしながら、シングルマザーとして娘のサツキを育てていた。三年前にお母さんの年下の恋人、恭平が一緒に暮らしはじめ、すぐに弟が誕生する。四人家族になったのに、いまお母さんと弟は一週間以上田舎に帰省中で、五年生のサツキと恭平が留守番だ。恭平が、「“あひるの王様”になっちゃってるね」という。昔のサツキは、淋しくなると、淋しさを食べてくれる可愛らしいあひるが見える、あひるの王様だったのだ。・・・・・・
こどもと少女の間、他人と家族の間、現実と空想の間、淋しさとあたたかさの間を優しく描いた名作です。見かけることがあったらお手に取ってみてください。