山内ジャパネスク

なんて素敵にジャパネスク 人妻編 4 (白泉社文庫 や 2-14)

 山内直実先生の、漫画版なんて素敵にジャパネスクを再読している。
 昔は、「○○が美形」などということばかり考えて読んでいたが、すごく勉強になる。たとえば、御簾や几帳がどんなものか、一目でわかる。漫画だと、小説ではスルーできることも書き込まなければならない。
 たとえば、右大臣家の従者の問題だ。
 太秦に三条邸炎上の報が届くシーンや、吉野から帰京する瑠璃姫と小萩が高彬の車と出くわすシーンで、右大臣家の従者が出てくる。小説は瑠璃姫視点で描かれており、「早馬の一人」とか「使いの者」とか「従者」とか、使いの者としか書かれない。(瑠璃姫はたぶん彼らの名を知らない)が、漫画だと政文なのか将人なのか守弥なのか、その場限りの名無しのキャラクターなのか決める必要が出てくる。山内先生のご判断で決めたのだろうか。面白い。