2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

蕨ヶ丘物語:小梅ばあさん再考

筆者は中学生のとき初めてこの作品を読み、第三話まで抑圧的だった小梅ばあさんが第四話で見せる生き生きとした素顔、過去の片思いの相手たちを探しに行く展開、そしてドタバタが非常に痛快だったという記憶がある。しかし、この作品を書いた頃の氷室先生の…

「蕨ヶ丘物語」年代確定

「蕨ヶ丘物語」の小梅ばあさんは、孫娘には「生きた明治維新」と思われているが、実は大正元年生まれだ。1912年の5月に生まれたの親友イネさんは明治45年、同じ年の11月生まれの小梅ばあさんは大正元年生まれとなり、「明治維新と大正モダニズム、この差は大…

「ラブ・カルテット」氷室冴子

私が最もよく氷室冴子先生の小説を読んでいたのは、中高生だった1990年代だ。そのときに、小説と漫画(原作小説が先に出版されたものは除く)で文庫、単行本が出ているものはコンプリートしたと思っていた。 しかし、最近再読をはじめ、インターネットの…