2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「源氏物語」とジャパネスク 1

いうまでもないが、平安文学パロディの「なんて素敵にジャパネスク」は、「源氏物語」を思わせる箇所がたくさんある。 瑠璃姫の名は、夕顔の娘玉鬘と同じ名を持つ。しかし玉鬘は、田舎育ちながらも理想的な貴族女性だが、瑠璃姫は平安貴族女性の常識をすべて…

「なんて素敵にジャパネスク2」セリフ対決

「ガールフレンズ」収録「冴子ベスト3」ので氷室先生が、お気に入りのキザセリフとして2巻から二つあげている。 1位は唯恵の「世、みな牢固ならず。水沫泡焔のごとし。あの日々は儚く、見果てぬ夢のように輝いていましたね」 3位は高彬の「ぼくで、我慢…

「なんて素敵にジャパネスク」愛ゆえの長さ

3巻から8巻は長い。3巻は新婚生活、4巻はアンコール編の後日談、守弥と瑠璃姫の決着が書かれている。そして、はっきりと話の区切りがあるわけではないが、5巻から8巻までがほぼ師の宮編となる。 異論はあろうが、師の宮は少し長すぎるのではないかと思…

「書かずにはいられない」北村薫

北村薫先生の「書かずにはいられない」に、氷室先生の「冴子の東京物語」の書評が載っていました。 北村薫先生がプロフィールを全く明かさない覆面作家として女子大生を語り手とする小説を発表していた頃、「あなたは、氷室冴子の別ペンネームですね」という…