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「なんて素敵にジャパネスク」帥の宮の性急さ

※ネタバレ注意

なんて素敵にジャパネスク 〈7〉 逆襲編 (コバルト文庫)

 

なんて素敵にジャパネスク7」幽霊に扮した瑠璃姫が、春日大納言に洗いざらい吐かせるシーンで、「帥の宮が春日を使って、源大納言が桐壺女御の後見を外れるよう脅しつけた」ということが告白されるが、私はこの箇所に疑問を感じる。

 

 この時点で、次の東宮になれる有力な男子皇族はいないようだ。いくら東宮をやめたくても、やめさせたくても、次の東宮候補がいないのでやめられない。

 

 東宮がすぐにやめられない状態で桐壺女御の後見がいなくなれば、(仮に瑠璃姫がまったく動かなくても)非右大臣家系の野心的な貴族が次の御世の外戚の地位に賭けて、新たな後見として名乗り出てきてしまうかもしれない。東宮の立場を弱くしておくためには、源大納言にやる気なく後見を続けてもらうほうがずっと有利なはずだ。

 

 瑠璃姫は帥の宮に完全に幻惑されていろいろ見落としているが、彼の行動はいろいろ性急すぎる。まるで、明日にでも由良姫が男子を産むことが決まっているかのように、振舞っている。詳しく見ていきたい。