氷室冴子先生を偲ぶ会2014

偲ぶ会を主催なさっている田中二郎先生が、2014年の告知をなさっている。6月7日14時 龍善寺とのこと。今年は、参加してみたい。 http://nerimadors.or.jp/~saeko/ 田中二郎先生は、大学の教員でいらして、氷室先生とはお友達で、パソコンの管理をされていた…

「エリノア」谷口ひとみ

復刊ドットコムで、谷口ひとみ「エリノア」の復刊を知り、注文した。氷室冴子先生が「クララ白書」(1980年版)のあとがきで、その衝撃を熱く語っていた作品だからだ。主人公が目もあてられない醜女だったこと、天使のように美しくなること、救いのない結末…

「海がきこえる」大学・高校のモデル

拓たちが通っていた高知の高校のモデルは、土佐高校。地域一の進学校だ。 高校時代の拓は特別に映画が好きとか、何かを創りたいとかいう様子がないのに、大学では非常にクリエイティブなコース(モデルは日大芸術学部)にいるのが不思議だった。 HP「海がき…

「銀の海 金の大地」における妊娠・出産(2) 

お産で命を落とした人に、御影・大闇見戸亮姉妹を産んだ加津戸亮がいる。現代で双子を産むときは、予定帝王切開が多いが、セルフ帝王切開・・・ううう・・・。 また、物語に直接登場しない人物だが、美知主、真若王、五百依姫、御井津姫の母に当たる息長の巫…

「銀の海 の大地」における妊娠・出産(1)

9巻「迷い込んだ小鳥」で、妊娠している氷葉州姫は、酒を一気飲みする。長老の振熊が制止しても、醸酒はとても気持ちが休まるといって聞かない。この時代、妊娠中の飲酒についてどれほど知識があったかわからない。だが、この飲酒シーンは明らかに、氷葉州姫…

「海がきこえる」里伽子父の相続

非嫡出子の相続に関する規定が変わるというニュースをみて、思ったこと。イタリア料理店のシーンで、お腹に子供がいる美香は、さらっと籍については相談中だといっている。だが、入籍するとしないでは相続が雲泥の差になる。 里伽子の父の資産を9000万円とす…

他の方の作品に登場する氷室先生とその作品 小ネタ集

○西村しのぶ先生「サード・ガール」の主人公夜梨子は、「多恵子ガール」を読んでいる。西村先生は「ガールフレンズ」の表紙も描いている。きれいなガールつながり。 ○入江敦彦先生「京都人だけが食べている」吉加寿お好みという店の紹介文のサブタイトルは「…

「シンデレラ迷宮」におけるE・ロチェスター

「シンデレラ迷宮」では、未亡人の奥方として登場する女性が、終盤で「ジェイン・エア」のジェインであると明かされる。ジェインの語るロチェスターは、愛されていると錯覚させるほど優しい人だったが、彼の心は狂人の妻バーサにあった。館に火を放ってロチ…

「アグネス白書」におけるエドワード・ロチェスター

「アグネス白書」旧版で、しのぶの理想の男性は「レット・バトラーもどきが、ブランデンブルク協奏曲をしょって、劇的に登場」とされている。だが、「菊花のマル秘創作ノートより」で、本当は「ジェイン・エア」のエドワード・ロチェスターが好きだが、顔が…

「銀の海 金の大地」ミス?小ネタ集(2)

人物関係図を書きながら読んでいたところ、11巻40ページ、穂波視点の地の文「佐保姫の従姉沙波路姫」という箇所で手が止まった。この人は、佐保姫とどういう血縁にあたるのだろう? 結論からいうと、(意沙穂と加津戸亮の秘密を知らない人にとっては)佐保姫…

「銀の海 金の大地」ミス?小ネタ集(1)

「銀の海 金の大地」は、最初にでた文庫以降、改版されていない。だから、修正したほうがよさそうな箇所も、そのまま残っている。 3巻217ページの小見出しタイトルで、万茅穂が「窺見・万「芽」穂」と誤植されてしまっている。初登場なのに気の毒な・・・。 …

本の雑誌 2008年10月号

本の雑誌2008年10月号の特集「少女小説の逆襲!」は、明らかに氷室冴子先生の訃報をうけて企画された、実質的な追悼特集である。 「コバルト風雲録」著者でもある久美沙織先生が、エッセイで思い出を語る。氷室先生は、消費を拒む、時代がどんなに移り変わっ…

氷室冴子拾遺集

あけましておめでとうございます。本年も、インターネットの共時性をまったく無視して書きたいことを書くと思います・・・。 最近、氷室先生の作品が新たに電子書籍化されて、喜ばしい限りです。そこで、電子書籍でもいいので、実現したら氷室ファン感涙の企…

「少女物語」

私は、この短編の存在を最近まで知らなかったので、書きます。 まーこさまによる「迷宮の扉」の著作リストにリンクされている、ネジ花さまによるリストに記録されています。 http://mahko.fc2web.com/him/list.html (まーこさま、HPいつも参考にさせていた…

氷室冴子先生と「NANA」

「あの人とここだけのおしゃべり」に収録された、よしながふみ先生と萩尾望都先生の対談に、氷室先生の話題がでてくる。 萩尾先生と年輩の男性が矢沢あい「NANA」について話している。ハチのような次から次へと恋愛する女の子は好きではないと男性がいう…

「なぎさボーイ」シリーズ 年表を作ってみると

氷室冴子先生の作品には、長大なもの、過去の出来事がすこしずつ明かされていく構成のもの、同じ出来事を複数の人物の視点で繰り返し語るものなどがある。こういった作品は、年表を作ってみると整理しやすい。 「なぎさボーイ」シリーズで作業してみると、い…

性暴力とその隠蔽

「白い少女たち」の倫子と千佳が、性暴力被害を徹底的に隠蔽し、自分たちだけで傷を抱え込む様子は痛ましくてならない。 そして、氷室先生の小説の他の登場人物たちも性暴力被害を隠蔽する。 物の怪憑きの瑠璃姫ですら、師の宮に接吻されたことは誰にもいえ…

「白い少女たち」 千佳の失踪理由の想像

帥の宮に負けずに(?)私も妊娠について想像してみる。 「白い少女たち」の千佳は、妊娠していたのではないだろうか?そう判断できる記述はないが、小説の中では、妊娠していないと断言されてはいないと、私は考えている。 作中の時間をみると、暴行事件が6…

「なんて素敵にジャパネスク」東宮の父親

※ネタバレ注意 強引な仮説だが、「なんて素敵にジャパネスク」は、東宮が鷹男の子どもである可能性も完全に否定せずに書かれていると私は思っている。 基礎体温や超音波検査やDNA鑑定がない時代、女性が複数の男性と関係して、どちらの子どもか断定するのは…

「なんて素敵にジャパネスク」帥の宮の妊娠妄想

※鷹男ファンは不快になるかもしれない記述があるので、ご留意ください。 ※ネタバレ注意 鷹男の帝の子どもについて考えてみたい。十三歳で元服し、添い臥しが今の桐壺女御で、一年後に右大臣家の公子姫が入内した。帥の宮編の物語が進行しているときには二十…

「なんて素敵にジャパネスク」帥の宮の性急さ

※ネタバレ注意 「なんて素敵にジャパネスク7」幽霊に扮した瑠璃姫が、春日大納言に洗いざらい吐かせるシーンで、「帥の宮が春日を使って、源大納言が桐壺女御の後見を外れるよう脅しつけた」ということが告白されるが、私はこの箇所に疑問を感じる。 この時…

氷室冴子先生と料理

コミックス版「ライジング!14」おまけまんが(1984)や、「ガールフレンズ」新井素子先生対談(1985)などにより、氷室先生は食べることと料理が苦手というイメージがあった。だが作品を再読し、そのイメージが修正された。 氷室先生のお母様は料理や裁縫が…

氷室冴子先生と新井素子先生

お二人は「ガールフレンズ」で対談なさっている他、新井素子先生のエッセイ等に氷室冴子先生はしばしば登場する。大好きな作家お二人の交流をここにまとめてみたい。 ○「新婚物語1 新婚旅行は命がけ」 あとがきで、新井先生の新婚時代の家に氷室先生が遊びに…

「なんて素敵にジャパネスク」数え年の問題

「なんて素敵にジャパネスク8」で、大弐が桐壺女御の過去を告白するとき、「あの四年前の嵐の夜までは」という。瑠璃姫もそれを聞いて、東宮は三歳・・・符号が合いすぎる・・・と四年前に過ちがあったことを理解する。 だが、数え年なのでこの記述はおかし…

「クララ白書」信頼できない語り手としてのしのぶ

しのぶは、光太郎のことをどう思っているのか? 「好きだ」「付き合ってほしい」というはっきりした言葉や、キスなどの関係はないようだ。だが、週末にしょっちゅう会い、光太郎が映画や食事やケーキをおごり、車を出し、会えないときは手紙を送る。光太郎は…

「クララ白書」人気者の物語

「クララ白書」の重要人物たちは「徳心スター」といわれる人気者ばかりだ。しのぶ、マッキー、菊花、高城、虹子、白路、三巻、夢見・・・。人間関係が苦手な朝衣も、最終的には学園にとけこみ、生徒会の議長となる。今の言葉で言えば、「スクールカースト上…

「クララ白書」寄宿破りの倫理

氷室冴子先生は、「ざ・ちぇんじ!」愛蔵版あとがきで、文庫が出版された当時「帝が最後までだまされたままでかわいそう」という読者の意見が多かったことを紹介し、読者って倫理的だという感想を述べている。 「クララ白書」シリーズを最初に読んだとき、倫…

氷室冴子作品 名前の重複

たくさんの氷室冴子作品の中には、同じ名前の人物もいる。 まず、主人公なのに名前が重複している「ターン」の田中鞠子。「ライジング」で祐紀のライバルとなる樋口鞠子と同じ名前だ。 細かいところになると、井上。「雑居時代」の鉄馬のテニス部の後輩井上…

「なんて素敵にジャパネスク」イラストとキャラクター描写

藤本ひとみ「まんが家マリナ」シリーズの第一作「愛からはじまるサスペンス」本文では、マリナの外見の描写が非常に少ない。美人でない、平凡な白いブラウス、スカート程度である。背が低い、眼鏡、前髪を結んで「チョンチョリン」をつけているなどの容姿は…

「なんて素敵にジャパネスク」守弥のイラスト

峯村良子先生が「守弥のジャパネスク・ダンディ」以降で描く守弥は、精悍な美形だが、初登場の「ジャパネスク・スクランブル」では、へちまそっくりの顔だ。(後藤星先生イラストによる新装版のあとがきには、氷室先生が「守弥は美形です」とはっきり伝えた…